「配置は結局、あの担当者にしか分からない」——小規模な警備会社ほど、こう漏らす経営者は少なくありません。資格の有無、過去にトラブルがあった現場、隊員同士の相性。こうした判断材料が特定の1人の頭の中にしか存在しない状態は、その担当者が急に休んだ瞬間、会社全体の配置業務を止めかねないリスクを抱えています。
警察庁の統計によれば、警備業者の約7割が警備員29人以下の小規模事業者です。専任の配置担当者を置く余裕がない会社ほど、属人化は起きやすい構造にあります。本記事では、配置業務の属人化がなぜ起きるのかを統計データとともに整理したうえで、仕組み化による解消のステップと、管制システムでどこまでカバーできるかを解説します。
警察庁「令和7年における警備業の概況」によると、警備業者10,949業者のうち、警備員数29人以下の事業者は7,472業者で全体の68.2%を占め、うち5人以下の事業者だけでも26.6%にのぼります。100人未満まで含めると90.3%です。警備業界の大半は、専任の管制部門を持てるほどの規模ではありません。
こうした会社では、経営者や古参の警備員指導教育責任者が、営業・現場管理・配置調整を兼任しているケースが一般的です。誰にどの現場を任せられるか、どの現場とどの隊員の相性が悪いか、といった判断材料は、日々の電話ややり取りの中で蓄積されていきますが、これを文書やシステムに残す余裕までは持てません。結果として、判断基準がその人個人の経験則としてのみ存在する状態が生まれます。
属人化が最も表面化するのは、判断できる人が急に不在になったときです。体調不良や急な休暇はもちろん、退職や独立といった形で担当者がいなくなれば、後任者は一から現場ごとの条件を洗い出す作業に追われます。警察庁の統計では、警備員のうち在職1年未満が18.3%を占めており、現場を支える若手ほど定着まで時間がかかる傾向がうかがえます。ベテラン担当者への依存度が高い会社ほど、この入れ替わりの速さが管制業務のリスクに直結しやすくなります。
「この現場は無資格者を配置できない」「この隊員は過去にこの現場でトラブルがあった」といった就業不可条件は、書面化されていなければ、担当者の記憶に頼るしかありません。代理で配置を組む人がこの条件を知らなければ、有資格者の配置基準違反や、取引先との信頼関係を損なう事態にもつながりかねません。
判断基準が言語化されていない状態では、新しく配置業務を任される人材への引き継ぎも、口頭説明と同行研修に頼らざるを得ません。警備業は65歳以上の隊員が全体の34.8%を占める高齢化の進んだ業界でもあり、次の担当者を早めに育てておきたい会社ほど、この引き継ぎコストの重さが課題になります。
まず着手すべきは、担当者の頭の中にある判断材料を言語化することです。隊員ごとの保有資格、就業不可の現場・条件、相性が悪い組み合わせなど、これまで暗黙のうちに判断していた項目を、一覧として洗い出します。すべてを一度に完璧にする必要はなく、直近半年でトラブルや迷いが生じた事例から優先的に書き出していく進め方が現実的です。
洗い出したルールは、担当者本人だけが参照できる状態ではなく、代理の人間でも同じ結論にたどり着ける形で共有しておく必要があります。紙やExcelでの一覧化でも第一歩にはなりますが、更新が反映されにくく、最新版がどれか分からなくなる問題が起こりがちです。
配置の履歴や打刻の記録が自動的にデータとして蓄積される状態にしておけば、「なぜこの配置にしたのか」を後から振り返ることができ、新任者の教育材料としても使えます。都度の電話連絡や手書きの記録に頼る運用では、この振り返りに必要な情報がそもそも残りません。
近年の警備管制システムには、隊員の資格情報・就業不可条件・相性といった配置判断の材料をシステム上で一括管理できる製品が増えています。これまで担当者の記憶に頼っていた条件をシステムに登録しておけば、代理の担当者や新任者が操作しても、同じ基準で配置を組みやすくなります。
また、配置画面をドラッグ&ドロップなど直感的な操作で組めるシステムを選べば、ITに詳しくない担当者でも運用に迷いにくく、小規模な会社でも導入初日から実務に使いやすいというメリットがあります。打刻のない隊員を自動検知してアラート通知する機能を備えたシステムであれば、急な欠勤の把握と代替要員の手配も、担当者の勘だけに頼らずに進めやすくなります。
属人化の解消は、担当者の能力や心がけの問題ではなく、判断基準を「仕組み」として会社の外側に持てているかどうかの問題です。自社の規模や体制に合ったシステムの選び方、シフト・人員配置の機能面については、以下もあわせてご確認ください。
警備業者の約7割が29人以下の小規模事業者である以上、配置業務の属人化は特別な会社だけの問題ではありません。担当者不在時の停止リスク、NG条件の見落とし、新任者への引き継ぎコストという3つのリスクを踏まえ、判断基準を言語化し、誰が見ても同じ判断ができる状態を仕組みとして持つことが解消の第一歩です。管制システムの活用は、その仕組み化を後押しする有効な選択肢の一つといえます。
高齢化が進む警備業界において、IT操作に不安のあるスタッフへの配慮も欠かせません。
警備会社の管制業務の課題は、会社の規模によって大きく異なります。現場数や人員が増えるにつれて、管理の方法や負担のかかり方も変わっていきます。
そのため、システム選びも機能の多さではなく、自社の規模に合った課題を解決できるかどうかで考えることが重要です。
当メディアでは、規模ごとに異なる管制業務の課題を軸に、小規模・中規模・大規模それぞれに適したシステムを紹介しています。
ここからは、警備管制システムの選び方を踏まえたうえで、各規模の状況に対応でき、
業務効率化や負担軽減を実現するおすすめの警備管制システムとおすすめの理由をご紹介します。
30人未満の
小規模な警備会社には
| 月額料金 | 27,500円〜 |
|---|---|
| 初期費用 | 有 ※直接お問い合わせください |
30〜300人の
中規模な警備会社には
| 月額料金 | 49,500円※2 (30人の場合: 16,500円) |
|---|---|
| 初期費用 | 110,000円 |
301人以上の
大規模な警備会社には
| 月額料金 | 301人以上の料金について記載がありませんでした |
|---|---|
| 初期費用 | 110,000円 |